Ciao. アラサー子なし主婦のGobuです。
日本生まれ日本育ち、イタリア語がちっとも話せない私ですが、最近イタリアのシチリア島に引っ越してまいりました。
シチリアのカターニャです。エトナ山という有名な活火山が近くにある街です。
久しぶりの作文(笑)で上手く書けるか分かりませんが、シチリアのいいところ・悪いところと共に、ここに至るまでの経緯やら困難やらを記録しておきたいと思います。
移住地どうやって決めた?
まず大前提として、私も主人もフリーランサーのため家で仕事をしています。
パンデミック前は約1ヶ月おきに拠点を変え、海外をフラフラしていました。この時の目的が、定住したい場所を探すことと、人生を楽しむことだったんです。
でもパンデミックで旅の続行が難しくなり、一旦日本に帰国。ワクチンパスポートやら陰性証明やらが不要になるまで、北海道と兵庫に住んで日本を満喫しました。
そして2023年!また日本を出て、半年ほど海外をふらふらした後、イタリアに辿り着きました。
ネットで検索すると定住地としての評価が低いイタリアですが、「住んでみなきゃ分からない!」という気持ちと、「嫌になったらすぐ違う国へ行こう」という軽い気持ちで決めました。
ちなみに主人はイタリア人ですが日本育ちなので、彼にとってもはじめてのイタリア移住です。
なぜイタリア南部?
主人の親戚はみんなイタリア北部に住んでいます。
じゃあなぜイタリア南部の、しかもシチリア島に移住を決めたのか。それは、勘違いから始まりました。
イタリアって所得税がめちゃくちゃ高いんですよ。収入によって変動しますが、最低23%。それに加えて社会保障やらなんやら払って行くと、給料の半分くらい消えるなんて言われています。
そんな中、主人が見つけたんです。イタリア南部に移住すると所得税が5%になる制度を!
それをきっかけに南部で家探しを始めたわけです。
(残念ながら私たちは条件を満たしていなかったので、所得税5%にはなりませんでした。それを知ったのは、住み始めて半年後です。笑)
なぜシチリア?
イタリアでの家探しは日本のようにスムーズに進みません。
メールやメッセージの返事が来ることはまずないですし、サイトに掲載されている物件もすでに埋まっている事がしょっちゅうあります。
そんなわけで、現地に行くしかないんですよね。
まだまだ旅行がたくさんしたかったので、空港が近くにある街に絞って検索。
最初はシチリアのパレルモが候補に上がりましたが、イタリアの人口第4位の大都市だと分かり、スキップしました。
大きすぎる街や観光地として人気な街は、旅行で行く分にはいいですが、住むとなると疲れちゃうんですよね…。いつまで経っても田舎っ子です。
そんな訳で第二候補だったカターニャへ行ってみることにしました。
良いところ
カターニャに来て最初に驚いたのは、道路のガタガタ+ゴミの多さ!
北イタリアに慣れていた私たちには結構衝撃でした。笑
そこら中にゴミが落ちているし、犬のフンも落ちているし、路駐が多すぎて歩道が歩きにくい。
でも、それ以上にステキな事がいっぱいあったんです。
本当は色々な地域を見て回ってから住む場所を決めようと思っていましたが、カターニャで数日過ごした後「ここだ!」と即決してしまいました。
2人の意見が合う事はかなり珍しいので、カターニャとの出会いはいまだに奇跡だと思っています。
そんなカターニャの好きなところを6つ紹介します。
1、食材
1つ目は食材のおいしさです。太陽いっぱいに浴びたシチリアの野菜やフルーツはびっくりするほど美味しいんです。
今まで、いろんな国や地域に行くたびに「ここのコレがおいしい」と特定のお気に入り食材を見つけてきましたが、シチリアは全部美味しいんです。もうびっくり。
こんなに感動するなんて全く思っていませんでした。
「イタリアは食材が美味しいから調理方法と味付けがシンプル」と言われているわけがようやく分かりました。
こりゃ他の国でイタリアンを作っても同じ味にならないわ!と思うほどです。
今では毎週日曜日のマーケットで新鮮な食材を買って、1週間で食べ切ることを習慣にしています。日曜日が1週間で1番楽しみな曜日です。
(野菜にはよく幼虫やカタツムリがついています。幼虫はビンに入れて育てており、今日も1匹蝶になって旅立って行きました♪)
2、人
2つ目は人です。みんないい顔してるんです、本当に。笑顔で人生を楽しんでるぞって顔。
しかもみんなフレンドリーで優しいんです。アジア人だからと冷たくされたり、差別されたりした経験はまだ1度もありません。
歩いていたら「どこからきたの?」と笑顔で話しかけてくれるおじ様・おば様、いっぱいいます。
ただ英語はほぼ通じないので、頑張ってイタリア語で話す必要があります。私のへなちょこイタリア語でも嫌な顔せず会話してくれるんですよ。
あと、シチリアの人たちは全体的に背が低めで、髪色が暗いので、後ろ姿だけみたらアジア人と大差ないんです。それも親近感を感じさせているのかもしれません。
3、気候
3つ目は気候です。とにかく晴れの日が多いんです。
冬はもちろん雪が降らないし、1年を通して曇りの日がすごく少ないです。
なんなら雨も少ないです。水不足になるくらいに。笑
天気に気分を左右されずに過ごせるのは、非常にありがたいです。
4、街の大きさ
4つ目の理由は街の大きさです。カターニャの街ってちょうどいいんですよ。栄すぎず。田舎すぎず。
私の感覚的に、大きすぎる街や人気すぎる観光地は、人に余裕がない(=あまり優しくない)という印象があり、あまり好きではないんです。
でも小さすぎる街は交通が不便だったり、外国人に不慣れで手続きが大変だったりするので、それも最初は避けたくて…。(そうなんです。わがままなんです。)
そんな私には、カターニャがちょうどいいんです!
空港が近くにあり、中心地であれば電車もあります。徒歩圏内にスーパーやジムもあります。
将来定住する際はもっと田舎がいいと思っていますが、まだ旅行も引越しも楽しみたいのでカターニャはピッタリだったんです。
5、安い
南イタリアは北イタリアに比べて平均収入がかなり低いそうです。そして家賃も安いです。(もちろん南北関係なく田舎は都市より安いです。)
今住んでいる家は月€900(€1=¥165で約15万円)の2LDKペントハウスですが、カターニャの知り合いに話すと「高すぎる!」と驚かれます。
正直私たちも高いと思っているので引っ越しを検討していますが、日本の都市部と比べたら比較的安いんじゃないかと思います。
余談ですが、最近ロンドンに住む友達と連絡をとった際、1ベットルームの場合シェアだと月20万、シェアなしだと月35〜50万が相場って言っていました。わぉ、レベルが違いすぎる。
私たちがロンドンに移住する日は一生来なそうです。
6、センス
センスがいいんです。というか自分の好みにあっているのだと思います。
特にシチリアのマヨリカ(マヨルカ/マジョルカ)焼きは、シチリアの人柄や天気をそのまま表したような鮮やかな色使いで、見ているだけで心が晴れやかになります。
お土産もカラフルでセンス抜群。説明が難しいんですが…見ただけで「シチリアだ」と分かる明るいデザインのものが多いです。
トルコやジョージアなど東欧のデザインが好きな私ですが、それに似たような雰囲気がシチリアにもあると思います。(でもトルコは紫寄り、シチリアは黄色寄りって感じです。あぁ、デザインの説明って難しい…)
大変なところ
全てが思い通りにいかないことは承知の上でイタリアに移住しました。
結果、本当に何もかもうまく行きません。笑
北イタリアの親戚や知り合いは「南部は怠け者。仕事をしない。」とみんな口を揃えて言っております。
そうです。何もかも大変なイタリアですが、南部はさらに大変なんです。
ドイツに住んでいたこともあり、その時はその時で大変なことがたくさんありましたが、今思うとドイツは楽だったなぁと心の底から思えます。(もちろん日本ほどではありませんが。日本最高!)
1、英語通じない
カターニャはですね、英語が通じないです。本当に。
中心地のレストランや、観光スポットであれば通じる場合もありますが、それ以外本当に通じないんです。
それを悪いだなんて思いません。だってイタリアにお邪魔してる外国人なんだから、イタリア語話せよってはなしですよね。分かります。
でも…大変です。笑
頑張って勉強して必要最低限なことは話せるようになりましたが、手続き時や電話の際はいまだ大緊張です。
これは面白いと思った事なんですが、英語を話せるイタリア人はみんな揃って「わたしは英語が下手だ」って言うんですよね。上手だとしても。
ヨーロッパにいるとそのセリフを聞くことがあまりないので、結構驚きました。
英語に対する感覚が日本人と似ているのかなーなんて思ったりしました。
2、昼休憩
北イタリアの人たちが「南部は仕事しない」という理由の1つに、昼休憩があります。
その名の通り、昼にお休みするんです。それも3時間ほど。ほとんどのお店が13時〜16時の間、閉まります。
長くないですか?笑
暑い時間帯に働かない、というのはとてもよくわかるんです。でも冬でも同じく閉まるんですよ。
スーパーやデパートなど一部のお店は開いていますが、ほとんどが閉店。不動産屋やガス屋さんなんかも、もちろんお休みです。
今となっては慣れましたが、最初は驚きました。どこも店内が真っ暗になるんですから。
3、ディナーの時間
昼休憩を3時間もするということは、退勤時間が遅いという事です。
そしてもちろん、夜ご飯の時間もおそくなります。
カターニャで友達とディナーに行くとなると、集合時間はだいたい21時や22時。腹ペコです。
でも間食をしてディナーを食べられなくなったらもったいないので、いつも仮眠してから向かっています。
主人と外食する時は18時くらいに店に行くことが多いんですが、どこもスカスカです。
というかオープンしていない店も多いです。(WEBサイトに17時オープンって書いてあったとしても、そんなの誰も守ってないです。)
まあでも、混雑を避けられるので、これは長所とも言えますね♪
4、電話のみ
イタリア人は、電話が大好きです。スーパーでも、運転中でも、しょっちゅう電話しています。
おしゃべり大好きなんですよ。にぎやかでいいですよね。
ただ問題がありまして…問い合わせも電話しか受け付けてくれないんです。
もちろんメールやメッセージの受付もあります。でも返事なんてほぼしてくれません。
イタリア語が流暢ではない私には大問題です。
外国人だからそんな対応をされるのかと思い、イタリア人の知り合いたちに聞きましたが、みんな「それがイタリアだ。私もいつもイライラしてる。」と言っていました。笑
賃貸の問い合わせ先には「電話のみ」と書いている人が大勢います。
イタリアに住むのに1番必要なものは電話番号かもしれませんね。
5、水の味
イタリアは街中に水汲みスポットがあり、水を買わなくても観光できる、なーんて言われていますが、シチリアは違います。
水汲み場はほぼありません。そして水、基本的にまずいです。
場所にもよるんですが、すごく塩っぱいところ(ほぼ海水)もあれば、土っぽい味がするところもあります。
シチリア内で何軒かホテルやAirbnbに滞在しましたが、「シチリアの水は飲めるけど、お腹を壊す可能性もあるから、水買った方がいいよ」とホストに言われた事があります。
今住んでいるアパートの水は幸い不味くはないのですが、たまに茶色く濁った水が出てくるので、ブリタで濾過して飲んでいます。
6、水不足
イタリアは水不足が深刻です。
特にシチリアは雨量も少なく、断水になる地域が結構あるらしいです。
そのせいか、どこの家にいっても予備の水が汲んでありました。我が家ももちろん用意しています。
カターニャ付近は比較的水が豊富な地域らしいんですが、なぜかこのアパートは月に2回くらい断水しています。笑
もうすっかり慣れっこです。急遽旅行に行ったり、外食したりして楽しんでいます。
もちろん事前連絡はないので、突然止まります。1時間で戻ることもあれば、2日連続で止まっている事もありました。
7、冬でも蚊
冬でもそんなに寒くないシチリアは、一年中蚊に刺されます。
とはいえ冬の蚊は弱いので、日中はお休みしていて、夜だけ活動するって感じです。
動きも遅く、すぐに潰すことができます。
網戸が無い家がほとんどで、蚊が入り放題なのですが、その分蚊よけグッズもたくさん販売しています。
個人的な1番のオススメは、コンセントタイプの蚊よけです。毎晩寝る時に付けていますが、おかげで快適な睡眠をとる事ができています。
8、アジア人がいない
カターニャにいると、アジア人に会うことがほぼないです。
年越しや大きなイベントの時は何組か見かけましたが、だいたい中国人か韓国人で、日本人は見たことがありません。
近所のピザ屋さんでも、「カターニャで日本人初めて会った!」と言われました。
あるおば様には「あなたフィリピン人?え、日本?どこそれ?フィリピンの近く?」なんて言われました。笑
とはいえ、アジア人がいないこと自体は全く問題じゃないんです。ただ、それに付随する問題があるんです。
それは、アジア人が少ない=アジアンマーケットがないという事です。
アジアの食材が一切手に入らないんです。あぁ、味噌と出汁がほしい。
アラブ系やインド系の方は多いので、スパイスは簡単に手に入ります。リゾットがあるので白米も手に入ります。それだけでもありがたいですよね。
9、たらい回し
イタリアのお役所で素晴らしいなと思うのは、わからない事に対して「分からない」とすぐ言える事です。しかも感じよく。
そしてその後の対応は全員同じです。他の人・場所を紹介する、です。
メモ用紙に住所を書いて「ここに行けばわかるよ」と言ったり、電話番号を書いて「この人に電話したら分かるよ」と言ったり。
一見すごく親切な対応に見えるのですが、これが永遠にループするんです。そして、誰も分からないんだということが発覚します。
郵便局も市役所も警察署も、とにかく自分が分からない事は他に回すという対応が主流のようです。
住所登録や滞在許可証等で散々たらい回しにされた結果、私が生み出した最も有効な対応策は、ずばり「イタリア語で書かれているWEBサイトを用意する」です。
その場で読ませて、相手に知識をつけてもらい、対応してもらう、という流れです。
何度か上手くいったので、なかなかいい方法だと思っています。
さいごに。
イタリアが統一されたのは150年前だと聞きました。
そうなんです、割と最近なんです!だから地域によって違うことがいっぱいあるんですって。
一度イタリアに来て「イヤだな、ここ。」と思ったとしても、他の地域を好きになる可能性は大いにあるって事です。
もちろん方言もたっぷりあります。(←これがかなり厄介です。)
私たちは今シチリアが大好きで毎日幸せに暮らしていますが、今後たくさん旅行をする中で気に入った場所があればいつでも引っ越そうと考えています。
食べ物が美味しくて、人が暖かいシチリア。大変なことも多いですが魅力あふれるステキな場所です。ぜひ移住先の候補に入れてみてください♪
今後は、イタリア移住の手続きの仕方や、観光情報も載せていこうと思っていますので、興味のある方はぜひまた読みにきてくださいませ 🙂
Gobu